ほうれん草の味噌汁やスープをつくるとき、そのまま煮るべきか、下茹でしてアク抜きするべきか、料理初心者は迷うところです。
結論から言うと、下茹でしてアク抜きしておくのが正解です。なぜ、そのまま煮たらダメなのか、下茹でしてアク抜きする必要があるのか。
この記事では、味のみならず家族の健康も考えた、ほうれん草のお味噌汁やスープの正しい作り方を伝授します。
味噌汁やスープに入れるほうれん草そのまま煮るとどうなる?
味噌汁やスープに入れるほうれん草は、下茹でしてから使わないとダメです。なぜなら、そのまま煮るとほうれん草に含まれる「シュウ酸」が味噌汁やスープに溶け出すからです。
シュウ酸って何?緑色の茹で汁の正体
シュウ酸とは、大量に摂取するとカルシウムの吸収を邪魔したり、体内で血中カルシウムと結合して、腎臓や尿路に結石を引き起こす成分です。
シュウ酸は水溶性のため、ほうれん草を茹でると茹で汁の中に溶け出します。ほうれん草を茹でると、茹で汁が緑色になりますよね。
あの緑色の汁がほうれん草の「アク」と表現されるシュウ酸が可視化されたものなんです。
ほうれん草は下茹でして最後に投入すべき理由
生の状態からほうれん草を茹でた汁に、そのまま味噌やスープの素を入れるやり方だと、溶け出したシュウ酸を全部摂取してしまうことになります。
そのまま煮たほうが手間のかからない作り方で楽ですが、アクのエグみは残りますし、シュウ酸を摂取するのでカルシウムの吸収に影響が出てしまいます。
なので、私はほうれん草を先に茹でてから使っています。
まずお味噌汁やスープのベースを作り、最後に茹でたほうれん草を投入して完成させます。または、茹でたほうれん草の入ったお椀にお味噌汁やスープを注ぎます。
ほうれん草の味噌汁やスープづくりでよくある質問
生のほうれん草を水でよく洗ったり、さっとお湯にくぐらせて、すぐに冷たい水で冷やしてください。最低限のシュウ酸は抜けつつ、シャキシャキの食感と鮮やかな色が保たれますよ。
「大量に食べなければ問題ない」とされているシュウ酸ですが、摂らないに越したことはありません。
特に尿路結石を作りやすいと言われている中年男性や、成長期のお子さんがいる家庭では、念頭に置いて料理を作ってあげたほうがいいと私は思います。
ほうれん草をラップに包んでレンジで加熱した場合も、加熱後にさっと水で流すだけで少しでもシュウ酸の摂取を抑えることができます。
逆に言うと、ほうれん草を水にさらす時間が少ないほど、たくさんのシュウ酸を体内に入れることになるのです。
まとめ:下茹でアク抜きしてほうれん草の味噌汁やスープをつくろう
私も新婚のころは、ほうれん草を生のままお鍋に入れるべきか、別で下茹でしたものを後から入れるべきかで迷いました。
同じほうれん草のお味噌汁やスープなのに、茹でるタイミングが全く違いますよね。どちらが正しいのかと、お料理初心者さんはみんな悩むと思います。
ほうれん草の処理の仕方によって、お味噌汁やスープの味にも栄養面でも大きな差が出てきます。
ほうれん草自体はある程度加熱処理されれば食べられるものなのですが、いつどのように熱を加えるかが、出来上がりに大きな影響を与えるのです。
下茹でしてアク抜きをしているからか、我が家では、好き嫌いの多い息子が食べてくれる数少ない野菜入りメニューとして、ほうれん草のお味噌汁が頻繁に食卓に並びます。
本当によく利用するので、プランターで自家栽培もしています。
お味噌汁だけではなく、ほうれん草の調理方法に悩んでいた人は、下茹での重要性を頭の片隅に置きつつ、たのしくおいしく自分なりのほうれん草料理を作ってみてくださいね。
ほうれん草1束を下茹でして用意しておくと、お味噌汁やスープはもちろん、ゴマ和えや炒め物などにも流用できて便利です。
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